1. 社会保険料負担の仕組み
社会保険料(健康保険、厚生年金保険、雇用保険など)は、企業と従業員の双方が給与額に応じて負担します。しかし、企業型DCでは掛金を「給与の一部」として支給するのではなく、直接年金制度に拠出するため、社会保険料の対象外となります。
2. 社会保険料軽減の具体的なメリット
企業の負担軽減:給与として支払う場合と比較し、企業負担の社会保険料を抑えられる。
従業員の手取り増加:給与の代わりに企業型DCの掛金として拠出すると、社会保険料がかからない分、従業員の可処分所得が増える可能性がある。
税制優遇との相乗効果:企業型DCの掛金は法人税の損金算入が可能で、さらにコスト削減につながる。
3. 実際の活用例
たとえば、月給30万円の従業員に給与として1万円を上乗せすると、企業はその分の社会保険料(約15%)を負担しなければなりません。しかし、1万円を企業型DCの掛金として拠出すれば、社会保険料の対象外となり、企業の負担が抑えられます。
企業型DCの導入による社会保険料削減の具体的な効果は、企業が拠出する掛金の額や従業員の給与水準によって異なりますが、一般的なシミュレーションをしてみましょう。
試算条件
従業員の給与:月額30万円
企業が企業型DCとして拠出する額:1万円/月(年間12万円)
社会保険料率(概算):約15%(健康保険・厚生年金・雇用保険などの合計)
社会保険料負担の軽減額
企業がこの1万円を「給与」として支給すると、企業側も約15%(1,500円/月)の社会保険料を負担します。
1,500円 × 12ヶ月 = 年間18,000円の負担
しかし、企業型DCの掛金として拠出した場合、この1.5万円の社会保険料負担が不要になります。
企業全体での削減効果
仮に、100人の従業員に対して同じ条件で企業型DCを導入した場合、
18,000円 × 100人 = 年間180万円の社会保険料削減
さらに、企業型DCの掛金は全額損金算入できるため、法人税の軽減効果も加わります。
まとめ
従業員1人あたり約1.8万円/年の社会保険料負担を削減
100人規模の企業なら年間180万円の削減効果
法人税の軽減効果もあり、さらなるコスト削減が可能
企業型DCの導入は、単なる福利厚生強化だけでなく、企業の財務戦略としても有効な制度と言えます。
また企業型DCの導入は、給与として支払う場合に比べて社会保険料の負担を軽減でき、企業と従業員双方にとって経済的なメリットがあります。コスト削減と福利厚生の充実を両立できる有効な戦略として、多くの企業にとって検討すべき制度です。