確定拠出年金と確定給付年金は、年金制度のタイプによって異なります。それぞれの特徴や違いを以下に説明します。

確定拠出年金

確定拠出年金制度では、拠出額があらかじめ決まっており、その後の運用成果によって年金給付額が決まります。拠出額は、従業員と企業が共同で負担することが一般的です。企業型確定拠出年金や個人型確定拠出年金(iDeCo)がこのタイプに該当します。

確定拠出年金の特徴

①拠出額があらかじめ決まっている
②年金給付額は運用成果によって変動する
③運用リスクは従業員が負担する
④運用商品や運用会社を従業員が選択できる
⑤従業員の貯蓄意識を向上させることを目的としている

確定給付年金

確定給付年金制度では、将来の年金給付額があらかじめ決まっており、そのために必要な拠出額が変動します。企業が運用によるリスクを負担し、一定の年金給付額を保証することが特徴です。従来の企業年金がこのタイプに該当します。

確定給付年金の特徴

①年金給付額があらかじめ決まっている
②拠出額は運用成果によって変動する
③運用リスクは企業が負担する
④一定の年金給付額が保証される
⑤企業の財務リスクが高まる可能性がある

確定拠出年金と確定給付年金の違いは、主に拠出額と給付額の確定性、運用リスクの負担者、そして企業の財務リスクに関連しています。確定拠出年金では、従業員が運用リスクを負担し、自己責任で年金貯蓄を行うことが求められます。一方、確定給付年金では、企業が運用リスクを負担し、従業員に対して一定の年金給付額を保証しますが、企業の財務リスクが高まる可能性があります。

近年、企業の財務リスクを軽減するために、多くの企業が確定給付年金から確定拠出年金への移行を検討しています。また、確定拠出年金は、従業員が自ら年金貯蓄に取り組む機会を提供し、個人の責任に基づく年金貯蓄を促進することを目的としています。

それにより、従業員は公的年金(国民年金、厚生年金)と確定拠出年金を組み合わせることで、より安定した将来の年金受給額を確保することができます。一方、確定給付年金は、企業が運用リスクを負担するため、企業の財務リスクが高まることが懸念されています。

要約すると、確定拠出年金と確定給付年金の違いは以下の通りです。
拠出額が決まっており、給付額は運用成果によって変動し、従業員が運用リスクを負担します。給付額が決まっており、拠出額は運用成果によって変動し、企業が運用リスクを負担します。これらの制度は、それぞれ異なる特徴とリスクを持っており、企業や従業員が自身のニーズやリスク許容度に応じて選択することができます。